2019年6月6日(木)、第23回手塚治虫文化賞授賞式が浜離宮朝日ホール(朝日新聞東京本社内)にて開催されました。
1997年に創設された同賞も、めでたく令和を迎えることとなりました。
関係者や招待枠の一般観覧客で一杯になったホール内には、昭和からマンガを支えた重鎮の方々、気鋭に満ちた新たな作家の方々、そして
〈今〉のマンガ業界を根底から支える一般読者や関係者の方々で賑わい、祝福のムードで歴史ある同賞の贈呈式を迎えました。
朝日新聞社の社長である渡辺雅隆氏による挨拶から贈呈式が始まり、手塚眞氏による祝辞、そして選考委員を代表して南信長氏による選考経過報告が行われ、賞の贈呈が行われました。
栄えあるマンガ大賞を受賞されたのは、有間しのぶ氏の『その女、ジルバ』でした。
長年の功績を祝した特別賞はさいとう・たかを氏、新生賞は山田参助氏の『あれよ星屑』、短編賞に小山健氏の『生理ちゃん』が選ばれました。
各賞の受賞者には、トロフィーの贈呈が行われました。
贈呈式後には、記念イベントとして「その女、しのぶ と一樹とるみ子」が行われました。
大賞受賞者である有間しのぶ氏、選考委員である桜庭一樹氏、手塚治虫氏のご長女であられる手塚るみ子氏による鼎談です。
女性三人による華やかな鼎談は、手塚氏の進行で行われました。
朝日新聞土曜版『be』で『小説 火の鳥 大地編』を連載中の桜庭氏は、『その女、ジルバ』を強く推薦したようで、一ファン一読者としての熱心な思いを語られました。それらに答えるかたちで、有間氏による作品の資料収集の逸話などが披露されました。
大盛り上がりの鼎談は、話題も『その女、ジルバ』だけに留まらず、有間氏の過去作にも話が及んで、当時どのような心境で作品と向かい合っていたのかなど、終始熱いトークが繰り広げられました。
【第23回手塚治虫文化賞・受賞者】
マンガ大賞 有間しのぶ氏
特別賞 さいとう・たかを氏
新生賞 山田参助氏
短編賞 小山健氏
選考委員(敬称略・50音順)
秋本治(漫画家)
杏(女優)
桜庭一樹(小説家)
里中満智子(マンガ家)
中条省平(学習院大学フランス語圏文化学科教授)
南信長(マンガ解説者)
みなもと太郎(漫画家・マンガ研究者)
ヤマダトモコ(マンガ研究者)
西村陽一(朝日新聞社常務取締役編集担当)
山口進(朝日新聞東京本社文化くらし報道部長)
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